◇禁断恋愛◆
『せ、聖夜・・・早いね?』


少し怯えた目で俺を見て、日菜が言う


「あぁ・・・今日、日直だから先行くよ」


出来るだけ・・・出来るだけ冷たくそう言う


『えっあ、うん・・・!』


いつもと全然違う言葉に、全然違う空気


もう昨日までみたいに隣で歩いたりなんて出来ない


この気持ち知ってるのはもう、俺だけじゃなくなった


だから・・・もう・・日菜とは笑えないんだろうな


それでいい・・・・


それよりも、好きだって・・・わかってほしかった


日菜は、ぎこちなく、ソファに座る


「・・・俺がいるから?」


思わずそう言ってしまった


『えっ・・・?』


「俺がいるから、そんな居心地悪そうなの?」


横目で日菜を捕らえて言う


『ち、ちがうよ!そんなんじゃなぃよっ』


必死で否定する日菜は、また辛そうな顔だった


最低だな・・・俺・・・


見てられなくて、そのままリビングを出た


全部、嘘ならいいのに


俺のこの想いも、昨日の事も、何もかも――――――


でも、もう、どうしようもない・・・
< 11 / 76 >

この作品をシェア

pagetop