◇禁断恋愛◆
日菜は、俺の視線に気付くと教科書を置いたまま走って行った


「ごめん、俺・・・葛原とは付き合えない!」


そう言って葛原から離れる


日菜が落とした教科書を拾うと、急いで物理室を出た


日菜を追って走っていく


あぁ・・・なんであんなところ見られたんだろ?


日菜にやっと、追いついた


「日菜・・・・・・・・!!」


日菜は、足を止めた


でも、こっちを向かない


俺は日菜の傍まで行って顔を見る


その目には涙がたまっていて、今にも泣き出しそうな顔だった


『な、何・・・?聖夜・・・』


震えてる声でそう言う


「教科書・・・忘れてたから。・・・日菜、なんで泣いてるの?」


『な、泣いてなんかいないよ・・・っ』


そう言って教科書を俺から受け取りぎゅっと抱きかかえる


「嘘・・・今にも泣き出しそうな顔してる」


そう言うと日菜は目をぎゅっと瞑って、俺に背を向ける


肩が震えてる・・・泣き顔見せないようにしてるのか?


なんだか、たまらなくなって・・・抱きしめずにいられない


気付けば、俺は後ろから日菜を抱きしめていた
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