◇禁断恋愛◆
日菜は、泣いていた


それでも、顔を見せてくれた


唇を離した後、涙がこぼれ落ちるのを我慢してるみたいで


それが、俺には辛くて・・・・


俺が我慢させてる?・・・どうせならもっと泣いて・・・


『ほ、ほんとは・・・嫌だよぉっ・・聖夜といたいのに・・』


そう言って日菜は、泣き崩れるようにして俺を抱きしめる


苦しくて苦しくて・・・今までに無いくらいで


『聖夜がっ・・誰よりも好きだよ・・・こんなに好きなのになんで駄目なの・・?神様はひどいよ・・・』


震える声でそう言う日菜に


俺まで泣きたくなった


だけど、俺が泣いててもどうにもならない


守るって決めたから


「日菜・・・駄目でも・・俺、今は・・・他人に生まれたかったとは思わないよ」


そう言うと日菜は、泣いたまま俺を見る


「兄妹だから・・・誰よりも傍にいられたから・・・誰よりも日菜を知ってたから・・・」


そう言うと日菜を抱きしめた


壊れるくらい抱きしめて何もかも忘れたかった


本当は泣きそうな自分を隠すためでもあったんだ・・・


だけど・・・さっき言った言葉は嘘じゃないから


誰よりも傍で・・・誰よりも・・・・信じてほしい
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