あの男は私に嘘をつく
がちゃっ






「お、髪盛り盛りだなあ。気合い十分じゃん。」





「触んないでよ。ほら、早く行こっ!!!」








近所の目があるし、家の前からは早く移動したかった。
だって…、こいつスーツ着てても、教師に見えないんだもん。絶対疑われる。







「そういえば、昨日数学復習した??」





「へ??」







したわけないじゃん。
……でも、ここはしたって言うべきかな。






「し、したよ??せっかく休みなのに、補習してくれたんだし。」








「…じゃあ、今日確認テストで満点取れるよね??」






「も、もちろん。」







「満点とれなかったら??」






工藤が私の顔をのぞきこむ。周りの目なんて気にしないのか、私から目をそらそうとしない。




「な、なんでもするわよ。」







「よし。分かった。」







工藤がニヤッと笑って、またさっきと同じように歩いていった。



…てか、確認テストなんて無理だよっ!!!!復習なんてしてないもんっ!!!!
私のばかぁ〜!!!!
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