あの男は私に嘘をつく
気になる?
「先生ぇ、見てみて!!テスト、なんとっ!!」




工藤の目の前に答案をもっていき、一気に裏返す。
そこには多く"100"と書いてあった。
そう、数学のテスト。あんだけ春休みに補習をしたせいで、満点がとれたんだ。
てゆーか、あんなにしたのに満点じゃなかったら、テスト作った先生、襲撃してたよ~!!



「すげーじゃん。」



そう言って、また私の頭をなでる。



もぉ…、子供扱いしてっ……。
撫でられるのは……、嬉しいけどさぁ、なんか……、ヤなんだよ。



私は工藤の手を払い、また素直じゃないことを言ってしまった。



「やめて、頭…なでるの。」



そう言えば工藤はそれ以上なでることなく、手をゆっくり引いていく。
それもなんだか嫌。
あぁ、やっぱり工藤といると…、なんだかもやもやして気持ち悪い。



「でも、聞いてるぞ。」





「へ??な、なにを??」



「数学以外は散々なんだってな。」




「うっ……。だって、春は数学しかやんなかったじゃん。」




「家でやれよなぁ。入試は数学だけじゃないんだぞ??」




「痛ぁっ!!」




工藤は私のデコをこづいて廊下を歩いていった。これ、マジで痛い。でも、嬉しいってか、
他の子にしてるのみたことないし……、特別ってカンジするから……。
い、いや、Mってわけじゃないけどねっ!!!



「恭子、なぁにしてんの??」



「なに抱きついてんの!!??脩二っ!!!」



ぱしっ



「おっと、何度も殴らせないぜ。」




ぼこっ




脩二は見切ったぜ、という顔をしたが、イラッときて空いた左で腹に一発。予想外だった脩二はうずくまって唸っていた。



てか…、まずいって……。



少し距離があるところで、工藤が一部始終を見ていた。目が合うと、工藤はフッと笑って、また歩いていった。




えぇぇ~っ、絶対誤解されたぁっっ!!!!!
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