あの男は私に嘘をつく
「工藤大地です。数学担当で、
副担として、3年4組に入ります。
いろいろ分からないことが多いですが、
どうぞよろしくお願いします。」



まだ、きゃあきゃぁ言ってるし…。
…てか、次の3年の副担かぁ……。
冬休みが終われば、私は3年になる。
3-4かぁ……。



って!!!何考えてんのっっ!!!!
あんなん興味ないしっ!!!
周りの雰囲気に流されちゃ
ダメだからっっ!!!



私は頭からあの、妖しい笑みを
振り払うように、体育館から
出て行った。
後ろから脩二も付いてきた。



あんな中にいたら、
ほんと頭おかしくなりそぉだし。
さっさと帰って、
どっか寄って帰ろ……。



「きょ・う・こっ!!俺も帰る~!!
どっか寄ってこぉよ!!」



脩二はカバンを片手に、
スキップしながら寄ってきた。
私はため息をついて、脩二の横を
すり抜けていった。


「今日は一人がいいの。」




「そんなぁ~、恭子ってばぁ!!」



なんだかんだ言っても、
結局後ろからついてくるんだから…。
仕方なく私は脩二と帰ることにした。
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