あの男は私に嘘をつく
先生は私を見て、フッと笑った。








「ほら、授業してほしいやつもいるんだからな。授業始めるぞ。」







群れてた女たちを大人しく席に着かせ、先生は授業を始めた。











………別に授業してほしかったわけじゃないけどね。分かってるくせに、いじわるばっか。







ちょっとスネて外を向いてやった。グラウンドでは男子が身体を泥まみれにしてサッカーをしていた。






あ、あの人付き合った。あの人も。あ~、名前なんだったけなぁ……。





そんなことを考えてた。ただちょっとスネただけだったのに、いつの間にかサッカーを見るのに夢中になっていた。






キーンコーンカーンコーン






「礼っ!!!」





「へ??」




もう授業終わったの!!??やっばぁ~…、サッカーに夢中になりすぎたぁ……。






立ち上がった瞬間、先生と目が合った。


< 43 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop