あの男は私に嘘をつく
「失礼しま〜す……。」









恐る恐るドアを開ける。明かりは点いているが、先生がいない。











呼び出しといて、なんでいないわけっ!!!










口をとがらせて、ソファーにカバンを投げるようにして置いた。












先生の……机。












私は先生が座っていた椅子に腰掛け、机に俯せてみた。自分の鼓動が机に伝わり、私の耳まで届く。











先生の前だと、もっと早いんだろうなぁ……。








どくんっどくんっ












「なぁにしてんだよ。」







「せ、先生っ!!!!別になにも…。てか、急に現れないでよっ!!!!」








「わりぃ、俺も呼び出されてさっ。」









どきっ











それってもしかして……。










頭の中には、先生に群れる女たちが浮かんできた。
< 46 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop