あの男は私に嘘をつく
靴箱に着き、上靴を脱いで靴箱に入れる。ローファーに足を通して、少しつま先で地面をたたいた。その時、後ろから声がした。











「恭子。」







聞きなれた声に振り向いた。そこにいたのは――――。
















「脩二………??」







黙ったまま、脩二が近づいてきた。なんともいえない感じが私を襲った。この沈黙に耐えられなくて、脩二に声をかけた。







「ま、まだ帰ってなかったの??」







「………。」
















「脩二………??」
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