あの男は私に嘘をつく
「恭子を待ってたんだよ。」






「え……。」












「付き合ってんの??」








「そ、そんなこと……っ!!!!」







私が俯いて、曖昧に答えているところに、修二が私を引き寄せ、思いきり抱きしめた。









「修二っ!!!!なにすんのっ……!!!」









「離さねぇ。」










「しゅ……。」









「俺にしとけよ、恭子。」






「え??」












抱きしめている腕に、力がこもる。














「俺、恭子が好きなんだ。」












目の前が霞む。












背が高い修二の胸にうずもっている私……。












修二の鼓動……聞こえてる。







本気だって分かってるよ。








でもね……。













こんなときに思い出すのも…………













先生の顔なんだ。
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