あの男は私に嘘をつく
「修二……、あの……。」












やばい…、涙で上手く話せない。声が震える……。













「ごめん、は聞きたくない。」










修二が私を離し、肩を持ってうなだれる。













「ずっとなんだ。恭子に出会ってずっとずっと好きだったんだよ…。」












修二の声も震えてる。













私たち、友達だと思ってた。いつも修二は私のそばにいてくれて、私が彼氏のことで悩んでるときも、話を聞いて相談に乗ってくれたのは、修二だった……。












だから、傷つけられない………。












でも………。













「修二ぃ……、私は先生のこと……。」












「好きなんだろ…??そのくらい見てれば分かるよ……。」










「うん……。」









修二は袖で目をこすり、弾いたように顔を上げた。その顔にあったのは、いつもの修二の笑顔。











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