あの男は私に嘘をつく
バスと電車を乗り継いで、やっと先生んちの近くまでこれた。












たしか、ここらへんだと……。












「あ!!」








キョロキョロしていると、"工藤"と書かれた表札を発見した。











「ホントに…一人暮らし…???」







工藤と書かれた表札を掲げる家は、洋風な造りに門を構えた立派な一軒家であった。











恐る恐るインターホンを押す。










ピンポーン











少し間があって、聞き慣れた声が返って来た。











『ごほっ、はい、工藤です…。』










「先生??」










『……恭子??』








「お見舞いに来たんだけど…。」










『………入れよ、ごほっ。』








門がゆっくり開いて、私は中に入っていった。
玄関には先生がパジャマ姿で立っていた。










「だ、大丈夫っ!!??寝てなよ。」









先生は黙って寝室に行った。私は後ろからついて、寝室に入った。
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