【危険なイケメン男の甘甘話】極道の組長が恋したのは敵の毒舌組長だった。
車から降りると、あたしは、しっかりと自分の荷物を抱える。



ブロロ……



利人はもう行ってしまった。あたし1人残して。



利人の白状物!!



叫んでも、あまり意味はない。心の中だから。



ごくっと唾を飲むとあたしは、ゆっくり歩く。隣町の道を。


緊張するんだよね?


けん玉は、スカートのポケット中にしまい込んである。あたしには、必要だから。



はぁ……怖いんだよね……正直。



こんなあたしが、良く組長なんてしてるなんて、組員の中でも文句を言っている人も居る。



でも、利人と血が繋がってるのはあたしだけだから。



お爺ちゃんは、もう極道から引退してしまったし。



お父さんは、離婚して余所に住んでいる。お母さんに浮気がバレたらしい。



その頃は、もう利人達と暮らしてたから、あたしはあまり分からない。



お爺ちゃんっ子だったし、あたし。怖いけど、玩具をたくさん買ってくれたから。



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