ボキ、エル。
―…ガチャ


「おじいたん！おじいたん！」

いつもならそんなに纏わり付かない。
だっておじいたんはボキ達が恐いから。


嫌われないように恐る恐る近づくのに、今はおじいたんが帰ってきたことが嬉しくて、ずっと泣いて纏わり付いた。


そしたらおじいたんの持ってた袋からボキの大好きなミルク骨が出てきた。


嬉しく家中走り回ったんだよ。


初めておじいたんがボキにおじいたんの手からくれるおやつはすごく美味しかったんだ。


「ありがとう、エル」

「よしよし、いい子」


ボキ達が嫌いでもボキはおじいたんの特別な犬なんだ！


だっておじいたんはボキの来たすぐの写真、手帳に挟んで持ち歩いて、酔っ払ったら、ボキの話しするんだ。


だから、おじいたん大好き！！


話すネタは増えた。
みんな笑ってたんだよ。
それから、おじいたんはボキを自分の散歩のお供にしてくれるようになった。


おじいたんは足が動かなくなってきてたけど、元気だっていつも言ってボキとお散歩してた。
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