△関係

それぞれの不安

「すいません…自分の名前も分からなくて…だから双子だって事も…」


翔太の目が泳いでいる。


それほど動揺してるんだ…と、胸が苦しくなった。


「仕方ない、気にするな。俺の名前は桃威。今から家に戻って荷物持ってくるから待ってろよ」


俺は病室を出た。


事故に遭った原因も覚えてなくてよかった…


一瞬、その考えが頭を過ぎる。


…俺は馬鹿か…


そんな考えを捨て、始発バスに乗って家に帰った。


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