Dear;You
「おはよーっ!紗絢っ」

「ぁ、大河か、おはよ」

それだけを言って
黙って席につく。
「あ、てなんだよ!!」
と言う奴をよそに。

朝は、不機嫌で
どーしても態度が悪い。

隣の席の左藤大河。
あたしはこいつが
気に入らない

中学校生活ラスト
まさかここまでの
ドSに巡り会うとは・・・

それが・・・
最近ほんっとむかついて
苛々している。

「・・・・ねえ課題見せてくんない?」

あたしが席につき一息しようと思った時、

さりげなく大河はそう言った。

課題?
そんなの自分でやれよ。

そう思ったけれど・・・


けど・・・・・



言えないよね?
そんなこと。


「ねえーっ紗絢ちゃあああんっ」

Sな目でこっちをみるな!
「・・・課題、ほら・・・やりなよっ」

しょうがなくあたしは大河に課題のノートを手渡した。

あいつ・・・
調子に乗ってんな・・・


わかってるけど・・・・
どうしても
あいつの目に・・・
あいつの視線に弱いんだ、あたし。

「紗絢ー」
大河は課題のノートを写しながら言った。

「・・・なに?」


一瞬、どきっとしたけれど


「ばーかかお前!」



・・・一瞬で消えた。


大河は「なに期待してんだお前」と小言を言いながら、せっせと課題のノートを写していく。

< 1 / 37 >

この作品をシェア

pagetop