Dear;You
「朝の時間っ・・・少ないんだから走るよ!」


「俺疲れてんのー」


あたしは大河の手を引く
大河は離そうとはしない


可愛いな、大河・・・・


「・・・おまえ・・ッ・・どこいくつもりだよーっ」


「いいからあっ」







しばらくして着いたのは、屋上。




ガシャッ


「おっ♪開いてんじゃん♪」


思ったより簡単に開いたのに驚いた。


「・・・・涼しいかも・・・っ」

「やべえな・・・ここ」


あまりの風の気持ち良さに、夏はここが穴場だな、と思いつつ、屋上に足を踏み入れる。


「・・・てかさぁ、話って・・・?」


「・・・話てゆうか・・・ね」


「・・・涼しいな・・」


「・・ねっ♪涼しい♪」







会話が途絶えた


ただ風の音が
すこしの間沈黙を消した







「・・・・ぁのさあ・・」
あたしはそれに耐えられなくなり、
口を開いた。


すこし勇気がいった。


「・・・・なに?紗絢」


「・・・・大河は・・・」
そう言ってあたしは
地面に座る。

コンクリートの地面は
思ったより、冷たかった


「・・・・・?」


「・・・大河は・・・あたしの事、好きだよね・・・・ッ?」


「当たり前だろ、そんなの」


その言葉に安堵した。


「・・・・あ・・よかった、」
涙が溢れる。
それを必死に堪える
ギリギリまで溢れているのがわかる。

「なーに泣いてんだ」

「ないてないもんっ!」
溢れる涙を制服ではらう


「・・・・ずっと、愛すからな・・・俺は、」


「あたしも」
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