Dear;You
あたしやっぱ好きだ、大河の事。

ノートを頑張って写す大河。
「おはよう」と誰よりも早くあたしに言ってくれる大河。


少し・・・いじわるな大河。

そんな事をあたしが考えているうちに大河がノートを写し終えた。


「・・・ありがと!」
意外に普通な感じにノートは返ってきたので安心した。

けれどそこには何かを期待してしまう、あたしがいた。

「大河っ!今度わちゃあんと課題やってきなよ」

「はいはいはい」

「何その返事。」

「はいはい」

「もおっ!」

「わかりましたよーっ!紗絢ちゃんの言いたいことっ♪」

そうやっていつも
あたしの気をひいて。

大河は上手いよ・・・

あたしは素直になれなくて・・・
困っているのに。

「大河ぁ・・・あたし、大河が隣の席でよかったな・・・って、ぇへへ・・・」

えへへ・・・・とか
柄に合わないこと・・・
言っちゃった・・・な

「可愛いな紗絢は。」


「はあっ!?」

思ってなかった
期待してなかった


・・・そんな返事。


もっと・・・
もーっと

「きもいお前」とか
言うと思ってた


なのに・・・・
可愛いよ、って?


「なーに赤くなってんの・・・」

「・・・なってないーっ!」




必死に隠そうとした




だけど




もう無理みたい・・・



あたし・・・・

大河がすきだよ・・・・?


たまに・・・・
たまぁにウザいけど

同じクラスで
席が隣で

よかったなあ、って。

言えないし
言わないけどね




−キーンコーンカーンコーン・・・
朝のチャイムが鳴った。



・・・・言うとまた
ばかにされるだろうし
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