Dear;You
大河が決まってないなんて、なんか意外だな。

「ぁ...もうこんな時間だあ.....ぁ、切るね...?...おやす..」

「...あ..っ...待って紗絢..ッ」

もう時計は11時をさしていた。

「..遅いからさ...っ...また明日...」


「...待って」


「...なぁに...ッ?」

そういいながら、あたしは部屋の電気を消した。
窓から見える、光る街灯を眺めながら。


「...紗絢..卒業したら...もしできたらでいいから、..同じ高校に行かない?」


「同じ高校?」

「あっ・・・ごめん、俺の考えだから・・・っ・・じ・・じゃあ明日なっ♪」


「・・・あ・・ぅん。・・おやすみ」


「・・おやすみ」


もう一度部屋の電気をつける。
鞄から取り出した、進路の紙。
明日までには、考えて提出しなければならない。


「・・・忘れてた・・・ぁ」

眠い目をこすりながら、椅子に座る。


んー・・・・


あー・・・・


星春高校・・・・
美郷高校・・・・

今のあたしの行ける範囲。

・・・どうしよ、進路。



「・・・あ、そうだ」
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