Dear;You
「数学は自習だってえーっ!」

委員長さんの声が
クラス内に響く。


自習かぁ・・・
さらに気まずいな


放課終わりのチャイムと共に皆、席につく。

「自習ではプリントをやって下さーいっ!・・・ぇと、丸つけは隣の人と交換して下さーい!」

委員長さんはそう言って、プリントを配りはじめる。



隣・・・・・か。
また気まずいじゃん

プリントが手元にまわってきた。

解きはじめる

数学は苦手。
計算とかグラフとか


頭が痛くなる



ふと隣に目をやる

大河はすらすらと解いている。

あぁ、確か数学得意とか言ってたっけ。


大河の真剣さに、あたしもやらなきゃ!と問題をまた解きはじめる。


わかんないなあ・・・


そう思っている間に、
「はいっ!じゃあ隣と交換して採点開始ーっ」
と委員長さんが告げた。



ちらっ、と大河の方を見る。
一瞬目があってしまった

大河は照れたように
逸らす。

「・・・・・はい・・ちゃんとやれよ・・・っ」
大河はあたしの方なんか見ずにプリントを手渡してきた。


照れちゃって・・・もぅ

「・・・どーぞ」


プリントを交換し、採点をする。



大河すげーっ
丸ばあっかり


馬鹿じゃないんだー



あたしの出来栄えはどうかな?、と目をやる。

大河の手は明らかにバツをうっていた。

丸、が少ない。


「・・・・だめだあ」
小声で漏れた。


「・・・・はぃ紗絢・・」


「・・・・ぁ、ありがと」
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