オモイバナ




俺は手紙を握り締めたまま玄関を飛び出した。
君があの日出ていった事をこのドアを見る度に後悔してた。

でも、今の俺には未来への一歩にしか見えない。



やっぱり君の存在は俺の全部だ。


だって前も今も未来だって君で輝いてる。
俺のただ生きるだけだった真っ暗な世界に色をつけてくれた。



神様も俺を見てるのか、桜の木まで信号は青だった。



俺への罰の御返しなのかも知れない。

気まぐれな神様に感謝しながら走り続ける。



桜が咲いている。


君と出会った時は雪を被っていた。



君と離れた時は蕾だった。



君の事を考えてるころに綺麗な花が咲いた。



君に会いに行くと満開だった。




まるで俺の心みたいだ。




俺の…オモイバナ。




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