オモイバナ
「泣くなよ。今日は俺達の記念日だろ?笑ってようよ」
彼女の頭を撫でてあげる。
静かに涙をこぼす君。
親指でそっと涙を拭う。
彼女が俺を見る目は安心したような感じだった。
俺はと言うと今までにないくらい優しい笑顔だったと思う。
鏡がないから、分からないけど何故か自信がある。
「…大好き」
彼女はそれだけ言って抱きついてきた。
俺も彼女に負けないくらい思いっきり抱きしめた。
「俺もだよ」
そう言ってただただ抱きしめてた。
もう言葉は必要ないと思った。
抱きしめるだけで今までの分を取り戻せる気がする。