あじゃあじゃラブリー
「本当に 今 危険な状態なんですよ。わかっているんですか?!
 搬送途中に 出血性ショックで死亡する可能性もあるんですよ!!」

【知るか!!そんな事!!って・・・・・でも、死なれたら 後味悪いよナ。】

救急車に乗せて つけた心電図・・・


「えっ・・・・・?」

救急隊員の表情が険しくなった。

「心停止!!」

【まさか・・・・】

ぐったりして 唇の色もぶっといろ・・・・

心臓マッサージをはじめたとたん 微妙に心電図の線が触れ始めた・・・・

「急いでください!!」

あいつに酸素マスクをつけると 救急車は病院に向かって走り出した。



病院に着くなり 緊急手術・・・・

潰瘍から大出血がおきているようだった・・・・

あたりまえだ・・・・居酒屋でいきなり ジョッキの生ビール半分を
 一気飲み・・・・だけど・・・どうして あんな無謀な真似を・・・・

手術中のランプを見ながら腹が立ってきた・・・・


唇を噛んでランプを睨んでいた 私の背後であっこねーさんの声がした。

「そんなに 唇かんだら 唇が切れちゃうわよ。」

「あ・・・あっこねーさん。」

「はい。多分 これが 彼の無謀な行動の原因ね。」

そう言って 彼女が差し出した新聞の見出し。

『人気俳優 大矢 尚結婚』

「これが・・・・なんで?えっ・・・まさか 彼 同性愛者?」

「なわけ ないでしょ・・・・・彼の結婚相手だよ。」

「えっ? モデルの ルナこと 斉藤るみな・・・・って・・・
 無名モデルじゃない。」

「この子が 旬君の見てる目の前で海に飛び込んだ子なのよ。」

「は・・・・・はぃ???な・・・なんでぃ??生きていたの?」


「凄いね・・・彼女のコメントがさ・・・・ストーカーに追われて
 海に落ちたのを 彼が助けてくれて・・・・だとさ・・・・」

「す・・・・ストーカー??って・・・」

「多分、今 切腹中の彼でしょうね・・・・」

「何???えっ?わけわからないや・・・・」

「まっ・・・・無事 生還したら 彼に詳しい事情は聞くことね。」








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