あじゃあじゃラブリー
「そうか・・・・馬鹿な女ね。」

 私の言葉に少しきつい視線をあいつが向けた。

「俺とは そりが合わなかったが・・・・馬鹿な女じゃないよ。」

「そう? どうみても 馬鹿だと同性からみたら思うけど?まだ 好き?」

「あいつは 寂しい女なんだよ・・・・それを 体を求める事で埋めてるような・・・
寂しいという 痛い感情は 俺 人一倍わかるからね・・・」

「男は そういう女に弱いんだ!! 言い換えてあげる あなたが 馬鹿な男なのよ」

「そう言って貰った方が 俺の気持ちとしては楽だね。」

「そうね・・・そんな女に命までかけて ハンストする おお馬鹿野郎だわ。」

「なんとでも言えばいい。俺は・・・あいつに詫びてるんじゃねぇ・・・・
 あいつが 勝手に放棄して この世に生まれてくる事ができなかった 
 命に 詫びてるんだ・・・それに・・」

何か言いかけたが あいつは 言葉をそこで 切った。

あいつの 生真面目な言葉に 私は一瞬 返事を失った・・・・

「あのさ・・・・言っていい?」

「なにを・・・」

「女と同じ言葉をさ・・・」

「えっ?」

「あんた 作っただけじゃん・・・・もしかしたら 騙されたのかもしれないし。」

「なんだと?!」

「私は 妊娠経験ないんだけどさ、友達なんか よく言ってるよ。母親しか
お腹の中の子供の父親はわからないんだってさ。親父になる連中なんてさ
いくら 仲のいい夫婦でも、生まれてくるまでは 本当に俺の子かぁ?って
ちょっとした 妻の言動で疑心暗鬼になることあるってさ。

10月10日って 気の毒だけど 男にはどうしようもない 母親と子供だけの
時間なんだよね・・・・そのかわり ・・・」


「その代わり?」

「水子のたたりって 女に多いのよ・・・・あんたの彼女もこのままでは
 幸せにはなれないわ。」

「言い切るんだな。」

「当たり前じゃん。でもさ、あんたまで こんなくだらないことで命落としたら
 あなたの子供は永遠にこの世には登場できないかもね。」
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