あじゃあじゃラブリー
オヤジをがっかりさせた あいつを困らせてやろうと思った。

「オヤジさん 彼 本物よ。サイン貰っておいたら?」

「ふっ・・・あさちゃんたらぁ~ 言ってくれるなぁ~ 今 大人気の俳優が
 こんな しょっぱいラーメン屋に来るわけないだろ~。」

「えっ・・・・・そんなに すごいん?」

「凄いよ。あさちゃんも 韓流のDVDばかりみて あちらの俳優さんに
 お熱あげてないでさ、たまには 日本のドラマも見たらどうだぃ。
 結構 レベル上がってきてるよ。はい!!そっくりさん 一丁あがり。
 ほい・・・あさちゃんも・・・替え玉は1つまではサービスしてやるから。」

「おやじさんも そう 思いますよねぇ~ 俺も 日本のドラマにも
 目ぇ~向けてほしいなぁ~~。あっ・・・・そっくりさんで、サインしときましょう  か?」

 あいつが オヤジに向かって わけのわからない冗談を言った。

 でも、男って生き物はわからん・・・・

 その わけのわからないジョークにオヤジがのって 奥から彼が趣味の

 ポラロイドカメラを持ち出してきた。

 「いいねぇ~~ 1枚撮っていいかぃ。 で・・・大出 旬のそっくりさん
  ご来店!!って・・・・あそこに張っておくよ。」

 【だからさ・・・・本物なんだって・・・・主婦層に人気なら後で 殴られても
 知らんぞ・・・・】

 オヤジの趣味は 意気投合した客とポラロドに納まり 一言書いたその写真を

 店の壁一面に無造作に張る事・・・・・

< 37 / 150 >

この作品をシェア

pagetop