あじゃあじゃラブリー
検査の間にも あいつは何度か 危険にさらされていた。

止まらない鼻血・・・・出血しやすくなった歯茎・・・・酷くなる貧血・・・

見舞いながら 何度ももう少しだからね・・・

がんばって・・・そう励ましてきた。

そんなある日 輸血を受けながら あいつが私に聞いた。

「彼とは どうなったの?」

「彼って・・・・」

「正確に言えば 彼ら・・・・」

「ああ・・どうなったかね。あんたの尻ばかり追っかけていたからね・・・
 誤解されたまま ついでに諦めたかね。」

「俺の病気治ると思って こうして毎日 来てくれてるの?
 それとも、 いつどうなるかわからない俺に 同情してきてくれてるのか?」

「う~~ん どっちだろうね。でも 移植待ってるんでしょ?ドナーがいるって
 瀬川のドクターから聞いてるけど?」

「うん・・・検査中らしいよ。瀬川ドクターは 相性のいい血液の人がいて・・・
 なんて言っていたけどね・・・・あくまで ドクターの推測だし・・・確定じゃない
 からね・・・・」

「そうか。」

【こんなに弱気になっててかわいそう・・・でも、ドナーが
 私だなんて 言えないよね・・・こいつ、ドナーも大変だってことを先日も
 パソコンを覗いて調べていたようだし・・・・】

「移植が成功しても、かなり 拒絶反応も酷いらしいし・・・正直
 ドナーになってくれる人を危険な目に合わせながら 自分が移植を受けるの
 迷ってるよ・・・・・」

「それにに負けるとでも?」

「それで 命を落とす患者もいるって・・・・」

「こわい?」

「ああ・・・・一人じゃ超えられるかな・・・・自信ないんだ」

「私がついてるでしょ?」

「同情で?」

「同情が愛情に変わる事もあるかもよ・・・」

【すでに 半分変わってきてるのかもしれない・・・・・愛情がなければ
 あの検査は受けられない・・・・・】

< 87 / 150 >

この作品をシェア

pagetop