あじゃあじゃラブリー
「わりぃ・・・・」

「ドクター責任取ってください。」

「わかったよ。取るから 一度 顔みせてやってくれないか・・・・
 おまえさんの 車椅子姿をみたのが、気になるらしい・・・・
 ストレスはよくないんでね・・・解消しないと・・・・」

「はぁ?だから ドクターがなんとか してくれないと・・・・」

「するって・・・」

「してないでしょ?」

「しかたなかろ? 見詰め合って おまえが あわてて ナースに車椅子
 押されて戻っていったのをみれば・・・健常者だって 気が気じゃない。」

「私の責任じゃないじゃないですか!!」

そんなやり取りをしているところへ 私を見舞ってヨシキが入ってきた。

「ドクターとやりあうほど 元気がよくて よかったよ。」

「あっああ ヨシキ 聞いてよ!!」

一気に ことのなりゆきをまくし立てた 私にヨシキがあっけなく言った。

「俺が 一緒に車椅子押して行ってやるから 会ってやれよ。」

「えっ・・・・・」

「車椅子の理由づけなら いくらでもできるだろ?そうじゃなくたって
 浅香けっこう おっちょこちょいなんだし?」

「ヨシキまで・・・・・」

「嘘も方便。車椅子の理由がわかれば 奴も安心できるし、なによりも
 苦しい治療も 頑張る励みになるなら その方がいいんじゃないのか?
 その代わり ドクターは 治療に対しては責任を持って 全力で取り組んで
 もらえばいいじゃん。」

ヨシキに促されて 会いに行くきになっていた・・・・

とそこへ、血相を変えたナースが飛び込んできて瀬川に耳打ちをした。

「大出 見舞うのはひとまず 後で!!」そういい残すと 瀬川が

白衣を翻してナースとあわてて飛び出していった。

【あいつに なにかあった?】とっさに 私はそう思った。
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