私があなたであなたが私!?




期待を大きく膨らませて目を開けた。



「何やってんの、あんたら」



力強い凛とした声は似ていたが違った。その後ろ姿ですぐに分かる。



「柊 優っ!?」



ヤクザ二人を目の前にして奴は堂々と立っていた。



ゴリラの腕を握っている事から、瑠璃に向かって振りかざされた手を防いでくれた事を想像した。



「くそっ」



悪態をつきながら、焦って腕を離そうとするゴリラだったが、握られた手は華奢な見た目とは想像もつかない力だった。
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