私があなたであなたが私!?




あえて言わなかったけど、あたしは心の中でつっこんだ。



「千夏ってさ、結構天然だよね」



あたしは今までの事を思い出しながら、ふと言った。



「お前も人の事言えないけどなぁ」



奥で薫の声がした。



食器を片付けているのだろう。夜のゴールデンタイムに向けて。



あたしはムスッとした顔をすると、そんな薫に聞こえるように少し大きな声を出した。



「最強のド天然に言われたくないわよ」



そう、あたしの兄こと柊薫は最強のド天然男なのだ。



ほんとにすぐに道間違えるし、方向音痴だし、ゴミ箱とバケツは間違えるし、雑巾と布巾は間違えるしで、いつも片づけてるのはあたしなんだからね!



ほんとにこんな兄を持つ妹は苦労する訳よ。
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