私があなたであなたが私!?




「うわぁ、ティッシュたらないね。大丈夫?」



「は、はい。申し訳ございません……」



憧れの人の前で鼻血出しちゃうなんて、私どうかしてますよね。



ん?


いや待てよ?



私って薫さんの事好きじゃなくて憧れてるだけなんだ。



うわぁ、それって自分の事なのに今初めて分かったみたい。



そうか〜、これが憧れの人って奴かぁ。



私なんかが薫さんの事好きだったら逆に迷惑なわけだし……。



それに何より優さんのお兄さんなわけだし!



そうかぁ、恋じゃないんだなぁ。



「千夏ちゃん?」



さっきから体が停止していた私を薫が覗き込む。



「はい大丈夫です!絶対そんな事がないよう気をつけます!」



「え……。う、うん?」



薫さんは訳も分からずただ返事をした。
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