私があなたであなたが私!?




「ではさっそく今日は他人の肖像画を書いてもらいます。身近な友達とペアを組んでお互いの顔を書いてみて下さい。はい、じゃあペア作ってー」



美術の先生がそう言う前からみんな友達のところへ行ったりグループで固まったりしてる。



当然クラスで浮いてる二人組の私たちは隅っこで二人で書くことに。



「肖像画かぁ。千夏書くのけっこう簡単だよね」



優さんが画用紙に書きながらにやっと笑った。



えっ!
つまり私の顔が単純だということなのでは……



「優さんひどいですよー」



私はすごく暗い顔で言った。



すると優さんが笑いながら画用紙に何か書いているようす。



「だって千夏はメガネと三つ編みで………ほら、千夏の完成!」



優さんは書いてた私の肖像画をこちらに見せた。



すごい!



私にそっくり!!



といってもメガネと三つ編みを書いただけの棒人間。



そっかぁ。私ってこんなに単純な顔してたんだ……



ていうか棒人間で自分が書けるって……



なんか悲しいです!
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