ホスト☆ガール
……………は?
あたしの状態、
慧太さんに押し倒されてる?
…いやいやいや、おかしい
でしょ。
慧太さんの目に映っている
のは、女の子じゃなくて
男のあたし、だ。
しかも、そのあたしが、
慧太さんのタイプ?
「け、慧太さん…」
「んー?」
「俺、男ですよ」
一応言ってみる。
すると、慧太さんはクスッと
笑っただけだった。
ま、まさか本当にバレた?
けど、そう考えないと納得
がいかない。
菜都希、ピンチ!
「ち、ちょっと
放してくださ……んン?!」
必死で抵抗したその時、
唇に何かおかしな感触が…
こ れ は、
キス……されてる?!
「んッ………あ……やッ」
しかも触れるだけのキスじゃ
ない。
かなり濃厚で深いキス。
優しく触れたかと思うと、
強く吸い付かれ、歯の裏側を
舐められる。
巧い。そしてエロい。
まさに口の中を犯されてる
って感じの口付け。
………じゃなくてっ!
「んンーーーっ!!」
思いっきり抵抗して、やっと
唇が離れると、慧太さんは眉を
ひそめて言った。
「暴れないでよ…」
「ちょ…っ、
何するんですか!」
あたしが一際ばたばた
暴れたその瞬間、
ムニッ
慧太さんの手が、あたしの胸
に触れた。
「―――――!!」
衝撃が走るあたしと、なぜか
突然固まった慧太さん。
見ると、目が点になって
いる。
「え、胸……?」