ホスト☆ガール

………“胸”?


 「な、なんで…」

慧太さんは顔を青くしたり
赤くしたり、かわいそうな
くらい。


危機迫る状況も忘れて、
同情しかけたそのとき

 「失礼」

慧太さんは突然あたしの
シャツに手をかけた。

そして。

プチプチプチ…


 「けっ、慧太さん!」


ギャーーーッ!

慧太さんは、淡々とあたし
のシャツのボタンを外し
始めた。


やっぱり同情なんてしか
けたのは、間違いだった…!

なんて思ったその瞬間。

 「女、なんだ?」

慧太さんは、あたしにもの
すごい低い声で言った。


…バレ、た。

否定しても、胸があること
を発見されてしまった今、
もはや無意味。


♪チャラリ~チャラリラリラ~


まさか、初日でバレるなん
て…オワッテル。



だが。

次の瞬間、信じらんないこと
が起こった。


 「え…、慧太さん?」

慧太さんは、なんとあたしの
シャツのボタンをまた留め直し
始めたのだ。


動揺するあたしに、慧太さん
は言う。

 「何、ヤられたかったの?」

 「いや、そんなわけない
 じゃないで…「悪いけど」

あたしの答えをさえぎって
慧太さんは言った。


 「俺、女の子には興味ない
 んだよね」

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