ホスト☆ガール


え、えーっと……

 「き、響哉さん……?」


響哉さんの顔があたしの
顔に迫る。

 「夏輝と話してると
 なんか変な気分になるな。
 ……ちょっと慧太さんの
 気持ち、わかるかも」



…………………ぴ

ぴぴぴぴぴぴぴぴピンチ!



ま、まさか響哉さんも
そっち系の人なんじゃ……


 「っていうか、線も細くて
 肩幅も狭いし……」

そこで一体言葉を止めて言う。

 「女の子と話してるみたい」




こ れ は、

慧太さんの同類というよりも
バレ、た………?



 「肌もきめ細かいし」

響哉さんの長くてゴツゴツ
した男らしい指があたしの
顔をなぞる。


ぞわわわ…ッとなんとも
言えない感覚が走る。

 「あ、あの……」

テンパるあたしを見て
にっこり笑う響哉さん。


 「何?」

 「俺、男ッスよ」

とりあえず言う。

振り絞った声が必要以上に
高くなってそうで不安だ。


すると響哉さんはあたしに
ニヤリと笑いかけた。

 「そうなの?」





…………ぜ、絶対バレた!

しかもまたまた貞操の
危機!!



誰かー、Please help me!



そして響哉さんの口が
ゆっくり開いた。



ゴク……ッ

思わず喉を鳴らしてしまう。


そんなあたしを見て、
フッと笑う響哉さん。

 「冗談だよ」

そう言ってあたしの肩を
ポンと叩く。



 「これからよろしくね」


ボーゼンとするあたしに
微笑みかけ、響哉さんは
ロッカールームに入って
行った。


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