ホスト☆ガール
「なっちゃん、
いい加減、現実に戻って
来なさいっ」
「嫌ぁぁああああ~…!」
姉ちゃんに引っ張られながら
ズルズルと階段を降りる。
あたしがホスト!?
そんなの絶対無理無理!
っていうか、むしろお笑い?
「ほら、これに着替える!」
あたしをロッカールームに
押し込んで、ストライプの
入った変に光沢するスーツと
真っ黒のカッターシャツを
押し付ける姉ちゃん。
「うっうっうっ…」
「うそ泣きしてないで、
さっさと着替えなさい!」
スーツもシャツもあたしに
ぴったり。
恐るべし、姉、波瑠奈!
「あ、似合う!
かっこいい~!!」
着替えたあたしを見て、
キャピキャピと言う姉ちゃん。
女なんだから、これが似合う
とか言われても、全然嬉しく
ないんだよ\(`Д´)ノ
「やっぱりなっちゃんは
背も高いし細いからね~。
あ、次は髪ね」
…もう、なるようになって
しまえ。
あたしのショートヘアが、
ナチュラルにセットされて、
鏡の中の自分が男の子に
なったとき、
ドアが開いた。