一生かくれんぼ
「もう決まったんだ!早く逃げな!」
そいつがポケットから出した紙には
「20XX年 7月 22日
春川隆行を指名手配する
事を国が決定しました。」
「何だこれは?」
春川隆行は力のない声で言った。
「早く逃げた方がいいぞ。 8時になれば、ここにも警察が来るぞ」
頭が真っ白になってしまったが、春川隆行は聞けるだけの事を聞こうと口を開いた。
「8時に警察が来るって、警察はオレの居場所を知ってるのか?」
「あぁ、知ってるよ。」
そいつは渋い声で言った。
「なら何で、今オレを捕まえに来ないんだ?」
普通、指名手配しているやつの居場所が分かれば、すぐに捕まえに来るはずだ。
「それは言えない。」
「何でだよ!」
春川隆行はイライラしながら言った。
「言えないものは言えないんだよ。聞きたい事がほかにあるなら、早く聞かないと、警察が来ちゃうぜ。」
仕方なく春川隆行は違う質問をした。
「お前は一体誰何だ?」
春川隆行は1番の質問をぶつけた。
「オレは尾佐田だ。それ以外の事は何も言えない。さぁ逃げろ。そして隠れろ!」