学園(吟)
吟ネエ、俺のせいで我慢してるんだろうな。

でも、何で我慢してくれたのかな。

拒否したから素直に引き下がるっていう性格はしてない。

リストバンドのことも途中で忘れていた。

バッジに触れたからか?

バッジに対して、何か考えるものがあるらしい。

あのバッジには何があるんだろう。

大切な物なんだろうけど、くれる事はくれる。

「うーん」

吟ネエの寝顔を見るが、何もつかめない。

「今は聞けないな」

手がかりは吟ネエのみだ。

「ふう」

明日から学校だ。

吟ネエは、誰かに体を許す確立が大きくなる。

昨日、今日と、欲求を溜め込んでしまっているしな。

「くそ」

プレゼントを渡したから、何かが変わったのか?

何も変わっていないのが現状だ。

「だったら、俺が」

吟ネエに近づこうとしたが、自分の顔面を殴って止める。

焦っても仕方ない。

俺は、吟ネエの感情が見たいんだ。

「おやすみ」

しょぼくれながら、ガンナーズヘヴンの最新刊を取って吟ネエの部屋を出た。

自分の部屋に戻ると、ガンナーズ・ヘヴンを読み始める。

今回はクラウスの友人(自称)であるグスタフが、クラウスの許婚を城から連れ出して新しい街に到着したところから始まる。

つまらなくはないけど、クラウスはあまり出てこない刊であった。

しかも、気持ちが盛り上がらないので、内容もあまり頭に入ってこない。
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