学園(吟)
「あれ、誰かから貰った物なの?」

「そうアル」

「そう、なんだ」

一体、誰からだろう。

吟ネエ、寝た男からプレゼントを貰う事があるんだよな。

でも、要らない物だから、捨てることのほうが多い。

バッジなんて、要らない物の1、2位を争う物じゃないか。

「誰から、貰ったの?」

知る事が怖いのか、声が震えている。

「知りたいアルか?」

「知りたい」

「じゃあ、胸を揉めばヒントをくれてやるアル」

お得なんだけど、今の俺にしたら生き地獄だ。

でも、やらなければ真相は闇の中にお蔵入りである。

「ホレホレアル」

隣を見ると、両手で胸を下から寄せて上げている。

柔らかい二つの山に釘付けになっちまうじゃないか。

何で、そんな攻撃的な事をするんだ。

刺激的すぎて、脳みそが耳の穴から垂れてきてもおかしくないぞ。

「く」

唾を飲み込んで手を伸ばす。

戦場に旅立つ戦士のような武者震いまで起こっている。

これは、情報を得るための闘いなのだ。

逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、とどこかの台詞を流用しながら、胸が掌に触れる。

柔らかい。

そして、掌に力を入れてみると、胸の体操も忘れておらず弾力がある。

「こ、これで良いだろ?」

「誰が一回だと言ったアル?そんなんじゃ、情報は手に入れられないアルよ」

吟ネエが離せないように俺の手首を持って固定した。

満足をするまでやれという事なのか。
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