学園(吟)
気を利かせてなのか、葉桜夫婦は家から出て行った。

「本気を出してやるか」

吟ネエが各所の骨を鳴らしながら、体をほぐす。

「ほ、本気?」

「ふふん、今日はお前のDT卒業記念だ。存分に楽しませてもらう」

ご飯にラップをかけると、俺は吟ネエの部屋まで強引に引っ張られていく。

「そんなに引っ張らなくても、俺は逃げないよ!」

「アチシに味あわせなかったお前が悪い」

吟ネエの部屋には空になった酒瓶が転がっている。

また、片付けもしないで、ほったらかしか。

考えを巡らせていると、いつの間にか吟ネエは裸になっている。

「ほれ、お前も脱げ」

「ちょ、ちょっと、ムードとか味あわないのか?」

「お前、アチシの服を脱がせたかったのか。仕方のない奴だな」

俺が何かを言う暇もなく服を着込み、ベッドの上で座りながら俺を凝視している。

段々、頭が痛くなってきたな。

でも、吟ネエらしいと言ったら吟ネエらしい。

「じゃあ、野球拳でも」

「普通に脱がせていいか?」

「アチシの遊び心を無にするつもりか?」

「いつ終わるかわからないじゃないか」

「むー、悲しいのじゃ」

「あ、可愛いなあ」

あえて、違う方向で責めてみる。

「龍姫の方が可愛いって事か?」

「どんな吟ネエでも可愛いって事さ」

吟ネエの隣に座り、クセ毛をもった頭をゆっくりと撫でる。
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