【実話】恋しくて
*夏
それから季節は夏になった。
あたし達はお互い学校があったりバイトがあったりで、週末のどちらかの日にデートすることが多かった。
電話も週一回。ほとんど秀行君がかけてきてくれて、たまにあたしからかける。
でも秀行君に電話すると、秀行君のお母さんの
「まだ?」
とか、
「早く電話切りなさい。」
って声が聞こえたりするからなんだか悲しくなる。
そして、秀行君の
「わかったよ。」
って声も聞こえる。
けっこう声が筒抜けだったりして、なんだかそういうの聞きたくなかったのになぁってあたしは思ってた。