紅の系譜
「環のやつ、あんなに思い詰めた顔で話をしたいなんて、いったい何だったんだ?」

さすがに昇にも緊張感というのは伝わったらしい。

「ん…それが…なんというか」


告白したとかって、人に話されたくないものだから、なんて説明していいのか困っていると


「おっ、あそこの店いいシューズ入ってんじゃん!ちょっと見てくる!」

「昇?!ちょっと待って!」


昇のこういうところは相変わらず。いつも私はこうして、勝手にあちこち行ってしまう昇の後を追いかけている。
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