紅の系譜

東京の大学に進学するつもりと聞いて、私はちょっと安心した。


今まで知っていた人が遠くにいってしまうのはさみしいけれど、それ以上に、もしこのまま付き合うことになったら余計さみしいと感じてしまうだろうから。


「紅葉、もし俺が遠くの大学にいってしまったらさみしがってくれる？」

「えっ・・・それはもちろんさみしいよ・・・！」


突然の質問に、本音で返してしまった。


「あはは、嬉しいよ。といっても俺も紅葉と離れるのはさみしいから、その選択肢はないけどね。」

環さんは笑顔でさらりと私をドキドキさせることをいう。