紅の系譜
環さんの声は、悲痛な叫びのように聞こえた。

私も怖い思いをしたけれど、環さんも身に覚えのないことを言われて、動揺しているはず・・・・。


「私は、環さんのこと信じるよ。だから、あまり思い詰めないで・・・。」


「紅葉、ありがとう。さ、もう家に着いたね。今日はゆっくり休んで。不安だったら、いつでもメールして。」


「うん、今日は誘ってくれてありがとう。もう、家に入るね。」


環さんは、私がドアを開けて家の中に入るまで、ずっと手を振って見送ってくれた。
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