紅の系譜
30分、1時間、2時間…

昇が繁華街の路地裏に入ってから、もう3時間が過ぎた。


すぐ戻ってくるといったわりには、ちょっと遅いかもしれない。


「どうしよう…昇までいなくなったら、私…!」

昇に絶対についてくるなと止められてはいたけれど、心配で仕方ない。


「少し探すだけでも…」

私はこの暗い路地裏に足を踏み入れた。
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