Symphony V
「まずは、何から調べるかな」

そう言って、巧は部屋に置いてあったパソコンをたちあげた。

「巧くん?」

「なんだ?」

「いや、その…何を調べるの?」

不思議そうに聞く唯を、巧は不思議そうに見た。

「何って…テレビとかでよくやってんじゃん。殺人事件とかで、○○年前のあのときの事故がかかわってる、ってよ」


それは…ドラマの見すぎじゃないかなぁ…


「5年前の家族旅行って、どこに行ったんだ?」

「えっとね…確か、あの時は北海道に2泊で遊びに行ったはず」

「北海道のどこ」

「確か…旭川。行ったのは夏で…」


みて!お母さん!花火だ!
あ、またあがった!綺麗ねぇ。
唯はほんとに花火が好きだなぁ。
うん!


「思い出した、確か到着したその日に花火をしてた!」

「よし、それじゃぁ…」

パチパチっとキーボードを打つ。ぱちんとたたいたとき、画面にはずらっと情報が羅列された。

「この辺かな」

巧がトップに出てきた記事をクリックする。そこに出てきたのは、ちょうど5年前の夏の日、1人の女性が遺体で発見されたというものだった。

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