Symphony V
巧の家に着き、同じように窓から巧の部屋へと入った。

「図書館に行って、なにを調べる?」

巧に言われて、唯は頭の中を整理するように答えた。

「うん。まずは高遠さんって女性が何者なのか。それから、事件のこと、もう少し詳しく調べて、どうなったのかとかを…」

答えながら、まぶたが閉じそうになる。

「唯?」

巧に呼ばれて、はっと目をあける。

「ご、ごめん。えっと…」

ちゃんと言葉が話せない。自分でも、何を話しているのか、よくわからなくなってきた。


だめ、眠い…



さらに重くなるまぶた。

必死で目を開けようと試みるが、重く閉ざされた目は覚めることができなかった。
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