Symphony V
「私…知ってる……」

「え?」

唯の言葉に、巧は首を傾げた。と、その時、巧は目を見開いた。

「ちょ、ちょっとまて、そこ、その記事」

巧が画面の隅っこに表示されている新聞記事の一部を指差した。唯は首を傾げながら新聞記事をクリックして、大きく表示させた。

「これ…!」

記事を読んで唯は驚いた。


『飛び出しか?大型トラックと少女接触事故』


大型トラックとの接触事故。奇跡的に少女は一命を取り留めた。当時、現場付近では、少女の背中を誰かが押したという目撃情報も出ていたという。

少女の名前は、東峰唯。



唯は思わず立ち上がり、図書室を出て行った。

「お、おい!唯!」

巧はあわてて唯の後を追った。
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