Symphony V
鼻歌まじりに鏡の前で一生懸命ヘアセットをする。学校に行くときや、友達と遊びに行くときでさえ、1つにくくって終わりという無精っぷりなのに、今日は気合いを入れてすでに30分が経過していた。
「髪は…こんなもんかなぁ…」
四苦八苦しながらアイロンでクルリとウェーブをつけたあと、ハーフアップでサイドへまとめてみる。
「お化粧…」
ここまでしたんだし、と、化粧品に手を伸ばしてみるものの、いまいち決まりきらず、結局、軽くファンデーションをつけて、薄く色のついたリップをつけて終わった。
「唯、用意できた?母さん、もう出るよ?」
会場までは、運よく母が近くを通る用事があるとのことで、車で送ってもらうことになっていた。
「あ、はーい!いま行く!」
ベッドの上に置いてあった携帯とチケットを入れたバッグを持つと、唯はあわてて部屋を出た。
「ごめん、お待たせ」
「あら、気合い入ってるわね」
クスクスと母が笑う。
「へ、変かな?」
不安そうに唯が聞くと、母はにっこり笑って首を横にふった。
「いいんじゃない?可愛くできてると思うよ」
言われて少し、唯は照れた。
「ほら、のって」
母に促されて、唯は車に乗り込んだ。2人を乗せた小さな青い車は、ゆっくりと走り始めた。
「髪は…こんなもんかなぁ…」
四苦八苦しながらアイロンでクルリとウェーブをつけたあと、ハーフアップでサイドへまとめてみる。
「お化粧…」
ここまでしたんだし、と、化粧品に手を伸ばしてみるものの、いまいち決まりきらず、結局、軽くファンデーションをつけて、薄く色のついたリップをつけて終わった。
「唯、用意できた?母さん、もう出るよ?」
会場までは、運よく母が近くを通る用事があるとのことで、車で送ってもらうことになっていた。
「あ、はーい!いま行く!」
ベッドの上に置いてあった携帯とチケットを入れたバッグを持つと、唯はあわてて部屋を出た。
「ごめん、お待たせ」
「あら、気合い入ってるわね」
クスクスと母が笑う。
「へ、変かな?」
不安そうに唯が聞くと、母はにっこり笑って首を横にふった。
「いいんじゃない?可愛くできてると思うよ」
言われて少し、唯は照れた。
「ほら、のって」
母に促されて、唯は車に乗り込んだ。2人を乗せた小さな青い車は、ゆっくりと走り始めた。