Symphony V
ゆっくりと両手を前に出し、ぶつからないように気をつけながら進んでいく。


どこだっけ、ここ。

多分、きたことは、ある。

なんか、覚えがあるんだよね。


うろ覚えではあるが、なんとなく、ここに似た場所に来た記憶があった。

「ってかこれ…いつになったら出られんのよ!」

証明も何もなく、真っ暗な中を手探りで歩く。自分が今どこをどう通って歩いているのかがわからず、出口がどこかもわからない。気が遠くなる。

「もぉ…やだよ…」

俯いたその時、ふっと何かが見えた。

「………」

目を凝らして見てみる。床に横たわる人の影がうっすらと見えた。

「誰…?」

ゆっくりと、恐る恐る近づいていく。
そして、人影の正体が次第にはっきりとする。

「――――レオン!」


うそ、何で倒れてるの?
やだ、どうしよう!


走ってレオンのそばに駆け寄る。
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