Symphony V
「唯、行くぞ」

レオンに肩を叩かれてはっとする。


私…まさか寝てた?


こんな状況でも、眠ることができるのかと、唯は少し感心した。

「可愛い寝顔だったから、起こすのは忍びなかったんだけどな」

言われてかぁっと顔が熱くなる。

「今、ようやく向こうが痺れを切らして動き出した。俺たちも行くぞ」

言われて、唯は頷く。先に出ていくレオンの後ろをついていった。

レオンは周囲をしきりに気にしながら、足音をたてないように、ゆっくりとあるいた。
唯も、できるだけ早足で、そして足音をたてないようについていく。

と、あと少しで、最初に入ってきた入り口にたどり着く、というところで、急にレオンが足を止めた。

唯は止まりきれず、ぼふっとレオンにぶつかった。
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